その神社は、スノーシューツアーの途中で
ひょっこり現れた。
雷電・・・なんで水上の宝台樹にこんな
名前が・・・?
何でも昔、雷に打たれた大樹をご神木と
しているとのこと。
なるほど・・・しかし・・・
僕の頭の中に、忌まわしき思い出が蘇ると
ともに、一瞬イヤな予感が・・・
果たしてツアーの最後に、足首を痛めて
しまったわけだが、この「雷電」との因縁に
ついて、チトご紹介しましょう。
あぁ、思い出すだけでも恐ろしい・・・
この風景からして不気味である。
黒い断崖の上部は雲に覆われて
見えない。
日本海に面した北海道の雷電地方
である。
ちょうど半年前、自転車日本縦断で
北海道の函館から小樽まで走った。
覚悟はしていたが厳しい自転車行
で、全工程ゲリラ豪雨を伴う雨が
降り続き、北海道らしい果て無き
直線路や延々と続く坂道に体力を
奪われた。
そして一番苦しんだのが、国道229号
に存在する大小のトンネル群だった。
恐らく崖の上部から落ちてきた
巨大な岩。
(写真は廃道となった旧R229号内)
このあたりは海の間近まで1000
メートル級の山が迫っており、海面
から切り立った断崖が続く。
写真のような岩が転がってくるくらい
だから、通常の道路は危険とのこと
で、トンネルが多く作られたようだ。
このトンネルがマジ恐いのである。
トンネル内に側道はなく、せいぜい
70センチ幅の退避帯のみ。
車はまるで高速道路にように
飛ばしており、ちょっとでも
引っ掛けられれば即お陀仏。
特にトラックは恐怖そのもの。
トンネル内に爆音が反響、脇スレスレ
を走りぬけていく。
風圧もすごくて、思わずよろめいて
しまうほどだった。
たまにトンネルの脇に昔使っていた廃道があった。
バリケードもあったが、トンネル恐さでそんなものは突破して、
可能な限りトンネル抜けは回避していたのだが・・・
そんな中、ついに真打「雷電トンネル」
が出現。
なんと長さが3700メートルもある!
約4キロだと~ッ!
この前に2700メートルの巨大トンネル
があり、車に惹かれそうな恐怖に耐え
ながら、30分以上も自転車を押し
続けてきたばかりだ。
すでに雨でズブ濡れの上、
埃まみれでフラフラ。
この上また1時間も歩いてのトンネル
抜けは冗談じゃない!!!
すがるような気持ちで脇を探すと、
あった!廃道が!
2重のバリケードがあるが、突破
しかない。
最初の網フェンスは、自転車担ぎ、
脇の密生した草むらを抜けて、
何とか突破。
しかし奥にあったコンクリートの
バリケードはさすがに無理だった。
高さ約4メートル、厚さは1.5メートル
ある。
思わず「こんなもの置くなよ~!」
と声に出して嘆く。
なんでこんなに厳重なんだろ?
しかし!この程度ではあきらめ
ません。
(トンネル恐さでこちとら必死である)
奥を見ると、海岸との出入り口がある
ように見えた。
海に降りて回り込めば抜けられそう。
道路から海岸の岩場までは、
落差2メートルほど。
自転車担げば何とか降りられるか?
一瞬で覚悟を決めた。
行くしかないべ!
残る体力を振り絞り、自転車担いで
何とか岩場に降りたの図。
岩が大きくこれまた自転車担ぎ
ながら進んでいく。しかし・・・・?
悪い予感がして、先まで歩いていって
見ると・・・
海岸との出入口に見えたのは
錯覚で、どこを見ても再び道路に
上がれそうな場所はなかった
のだった。
ガックリと落胆し、引き返す。
そして海岸脇の草ムラに足を
突っ込んだ瞬間、激痛が!
最初はトゲのある草かと思った。
しかし痛みは連続し、異常に痛く
痺れをともなっている。
よく見ると、小型のハチが群がって
いるではないか!
思わず悲鳴を上げるが、自転車
担いでいるため身動きとれず、結局
5箇所もハチに刺される有様。
あぁ、恐るべし北海道・・・。
結局泣く泣く雷電トンネルを、
歩いて抜けるしかなかった。
脇を100キロ近いスピードで車が
すり抜けていく。
その度に身体が硬直する。
上部には空気を流す巨大なファンが
ごうごうと回っている。
暗いトンネル内の壁の滲みが、
人影のように見えて不気味だった。
ハチに刺されてハレた足を引きずり、
濡れネズミの埃まみれで、
何とかトンネルを抜けたときは、
すでに死に体と化していた。
その後このトンネルの横に、
「雷電温泉病院」という
心霊スポットがあったことを知る。
所謂廃病院で、結構有名だった
らしい。
恐~っ、抜ける前に知らなくて
ヨカッタ・・・
ということで、雷電との因縁の紹介
でした。
因みにこのブログを始めたのは、
もともと自転車日本縦断を紹介
するためデス。
写真も膨大にあるため、なかなか
整理できていないのが実情ですが、
追ってゆるゆるとご紹介していこうと
思います。
よろしくお付き合いくださいまし。
ケロボウズさんの緊張感が伝わり、こちらも緊張して拝読しました。
たしかに、あの付近のトンネルは怖いですよね。
僕も20年前と15年前にバイクで通ったと思いますけど、
20年前の時はパンクの為、徐行スピードでした…。
ですから、ケロボウズさんの気持ちがよ〜くわかります!
そう言えば、トンネル自体も(旧道の方でしたっけ?)大規模な土砂崩れで
潰れたこともありましたよね!?
いずれにしろ、あの辺は危険ですよね…。
以前お話したかもしれませんが、僕は落雷の影響でシビレタことがあります。
それもすごく怖かったですよ。
雷つながりのお話でした。
投稿情報: 寅次郎 | 2009/03/16 22:27
訳ありで酔っ払いのシショウです。
雷繋がり…
私は山小屋の直近に落雷したとき
「球電現象」を2度体験しました。
なかなか貴重な体験だったようで…。
怪我が無くてよかった…と時が過ぎ思います。
ただ
雷はコワ~イ
オバケもコワ~イ
上高地へ通じる旧釜トンネルも
その手の話題には事欠きません
山で聞く「怖い話」は臨場感ありでヨシです◎
トイレには一人では行けません
投稿情報: むかしむかし | 2009/03/16 23:14
いやー、こんな苦行を積んでいたとは知りませんでした。。。
お疲れまでやんした。
廃道巡りは廃登山道と一緒、、、完全なバリエーションルートですな。
寅次郎さんもコメントしてますが、稼働している国道のトンネルさえ
崩れる程の地形です。 また、この写真で見る限り急斜面、、
廃道の落石には充分注意して下され。
バリエーションルートゆえ、誰も発見してくれませんから(^^;
あ、あと、、、北海道のこういう道には熊が出てもおかしくないで
充ーー分注意してね。
おそらく雷電病院よりクマさん怖いよ。
是非1本細引きロープを持参すると良いですよ。
こういう絶壁で自転車釣りあげられるから・・・
って、あんまり怖い所行かないでね。
(人のことを言えない自分だけど・・・(笑))
落石+熊
細引き1本なnyとかなるよ
投稿情報: あひる | 2009/03/17 23:19
すいません。上のコメント最後に2行、
ゴミが入っちゃいました。。
あ、私がバイクで雷電海岸行った時の写真みたのですが、、
1998年・・・はい、雷電トンネル、刀掛トンネル等が開通する前でした。
今度間近に見る雷電岬の写真をお見せしましょうぞ。
投稿情報: あひる | 2009/03/17 23:38
寅さん、どうもです。
やはり寅さんもあのあたり行かれてましたか。
さすが元バイク乗りですな。
私は自転車に乗っている最中、「バイク乗りてー!、バイク乗りてー!」
と呪文のように叫んでました(笑)
だってこちらが四苦八苦して走っている中、彼らは実に気持ち良さそうに
抜かしていきますからね。
今回は予定していた積丹周りをあまりのキツさで回避しましたが、
今度是非バイクでリベンジしたいと思っています。
雷・・・人間の力の及ばないものだけに確かに怖い。
ヤマでは出会いたくありませんな。
投稿情報: kerokerobouzu | 2009/03/18 00:49
むかしむかしさん、ごきげんよう。
このトンネルの中歩いている時ですが、たまに車がとぎれると、暗い中気持ち悪い
くらいの静寂が訪れる瞬間がありました。
何度か背後に気配を感じて振り向きました。
もちろん誰もいません。
帰っていろいろ調べてみたところ、やはりその手の話題でも有名なトンネルの
ようです。
これ以上は書けません。マジ恐いです。
重ね重ね、行く前に知らなくてヨカッタ・・・
投稿情報: kerokerobouzu | 2009/03/18 00:58
あひるさん、こんばんは。
もうこの道は自転車で走りませんよ(苦笑)
雷電トンネル抜けた後、松前に向かって走っているという筋金入りの自転車オヤジと
少々話しました。
このオヤジが言うに、「積丹は・・・心してかかれ」とのこと。
あまりのキツイ旅に弱気になっていた私は、この一言で積丹周りを中止しました。
そうでなくとも積丹には30以上もトンネルがあるのですから。
次回は小樽から稚内に向けて走りますが、トンネルはほとんどないようです。
行きたかった積丹の神威岬には、バイクでチャレンジしま~す。
あっ、あひるさんの雷電写真見たいです。
よろしくお願いシマス。
投稿情報: kerokerobouzu | 2009/03/18 01:50
稚内に向けてですか、、、では、、、
http://www.hokkaido-douro.net/kokudo/231/231-1/1-5.html
で予習してくださいネ。
思い出はこの辺りで・・・
積丹半島も詳しく載ってますよ。
http://www.hokkaido-douro.net/kokudo/229/229-5/5-2.html
投稿情報: あひる | 2009/03/18 22:14
あひるさん、どうもありがとうございます。
さすが往年の北海道マニア!
稚内方面に向けての海岸線は美しいですなぁ。
しかし少々のトンネルが気になります。
200メートルぐらいだと勢いで抜けられますが、
1000メートル級はヤバイです。
きちんとした歩行者用レーンがあればいいのですが、
なぜか北海道のトンネルは歩行者は軽視されています。
実は小樽からのコースは美唄周りで行こうかなと思ってます。
留萌から再び海岸に出てそのまま北上。
このコースだと完全にトンネルは回避できます。
次回はサロベツ原野抜けて稚内まで達したいところですが、
チト遠すぎかな(苦笑)
投稿情報: kerokerobouzu | 2009/03/19 00:15