今月の上旬にまた石巻へボランティアに行ってきました。
今やっている仕事の忙しさにかこつけて、なかなか行けずにいたのですが、
半ば強制的に都合つけて行ってきた感じです。
私が以前行った4月~5月の頃は、街中は瓦礫だらけで被災した車も放置され、
道路脇には土嚢やゴミが積まれ異臭を放っていたという状況でしたが、
現在は街中からは瓦礫が取り除かれ放置車もなく、一見道路も綺麗で、
半年余りでよくぞここまで綺麗にしたなあと感心してしまいました。
しかし作業場に向かうため、バスで港近くに出ると様子が一変しました。
壊れた家屋が目立ち始め、全壊地区まで行くと逆に壊れた工場や家屋を撤去した後の
空き地も出てきて、その空き地に瓦礫や被災した車がおびただしい量で集積されてました。
作業については、前回はひたすら個人宅や商店の泥かきだったのですが、
今回は港近くの水産加工工場で、水没し泥だらけになった機械などの洗浄を行いました。
いや~とにかく寒いし、ずっと水を大量に使うので全身びしょ濡れになるしで、
作業自体は結構大変でした。
ただ前回はハリキリ過ぎて手首が腱鞘炎になりましたが、今回は手首もってくれてヨカッタ(笑)
今回も何人か地元の方々とお話できました。
特に水産加工会社の社長さんのお話が興味深かったです。
石巻には200を超える水産加工会社があるのですが、まだ再開できたのは
その1割にも満たないらしいです。
社長さんの会社は被災してしばらく営業もできず、やむにやまれず大事にしてきた
社員を80名解雇したとのこと。
そしてやっと再開できて、また20名ほど雇うことができたとおっしゃってました。
しかしその過程の中で、自分にとって一番大事なものは何か、よくわからなくなったとも
話されました。
社長さんのところは、もちろん水産加工商品が主力なのですが、とにかく工数はかかるが
丹精込めて商品を作っているとのこと。
しかし周りを見れば、生産性、効率化優先で、利益ばかり追い求めた使い捨てのような
商品が氾濫している。
社長は服飾のステッチの数や、食パン製造などわかりやすく例を挙げて説明されました。
大消費時代で、周囲にはモノが溢れ、開発競争で商品はどんどん入れ替わり使い捨てられていく。
もちろん利益を追い求めるのは企業であるがゆえ当然のことで、そのお金で暮らしが豊かになり
経済は回っていく。それ自体は必要なことで否定はしない。
しかし本当に何でも利益優先、お金が一番という考え方でいいのか?
社長さんは話を聞いている人に、あなたにとって何が一番大事?と質問されてました。
もちろんこれに正解はない。
そして社長さんも、いまだに何が大事なのか考えているし探していると話されてました。
ただとにかくお金、利益が優先される状況はおかしいとも。
会社はおろか自分の家族も被災し、ある意味地獄の中で活路を見出そうとしている社長さんの
お話は、遠く離れた場所で偉そうなことばかり話している人々に比べ強烈な説得力がありました。
あと地元の方々の心配としては、東京、首都圏の方々は次第にこの震災のことを忘れ始めて
いるのではないかということでした。
そうでなくとも最近ニュースから被災地の情報が減りつつある。
なのでボランティアに来た方々は、是非戻ったら被災地の状況を伝えていってほしいとも
おっしゃってました。
ワタシも今までは、被災地のことを周囲の人々へベラベラと話すのは憚られる思いがあり、
ごく親しい方々にしか伝えてませんでした。
ただこれからはなるべく話していきたいなぁと考えてます。
あとまだまだ被災地では継続的な支援が必要な状況ですね。
とりあえず今年ワタクシが参加したNGOピースボートのサイトを以下に記します。
参加費何と1000円で、新宿~石巻往復バス、宿、食事をまかなってくれます。
土・日のみの短期ツアーもやっているので、興味ある方はサイトご覧になってみて下さい。
(自分で現地の社会福祉協議会に行くより、ムダなく効率的に活動できます)
ワタクシも本当に微力ながら、今後も継続して支援活動していきたいと思ってます。
こんなデクノボーでもお役に立てれば…
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